T 本の内容(本書「はじめに」より) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小泉内閣は、今回のアメリカの無法なイラク攻撃でも、いちはやく支持を表明し、国際世論のひんしゅくを買いました。「思考停止」「無条件追従」のきわみです。これでは日本が米国の一部と揶揄(やゆ)されても仕方がありません。 しかも、アメリカへの追随は外交だけにかぎったことではないのです。最近の不良債権処理や金融政策にもあらわれているように、経済の面でも、いままで日本はアメリカの要求にしたがってきました。さらに、今日の日本経済の構造的なゆきづまりも、じつは長年のアメリカに従属した経済運営がもたらしたものです。 「ニューズウィーク」同号は、こうものべています。「多くの日本人は新しい世界秩序のなかで、日本が独自の立場を取るべきときが来たと考えている。アメリカの指示にただ従うだけの『属国ニッポン』であり続けるのか、あるいは自立して自らの意見を主張するのか。多数の日本人は、もっと自立した路線をとるべきだと答えるだろう」。
第一章では、今日の日本経済の構造的なゆきづまりが、今までの対米従属の経済、産業政策の結果、もたらされたものであることをしめしました。 第二章では、現在の小泉「構造改革」が、このゆきづまりをまったく誤った方向で打開しようとするものであり、それが日本をいっそうの経済危機におとしいれていることを指摘しました。 第三章では、八〇年代後半より日本ですすめられてきた「構造改革」路線そのものが、アメリカの身勝手な要求とアメリカ主導のグローバリズム(本書では「アメリカン・グローバリズム」とよぶ)を反映したものであり、小泉「構造改革」もその延長線上にあることをしめしました。 そして第四章では、日本経済の危機を打開するためには、日本が経済主権を回復し、「アメリカン・グローバリズム」と対峙(たいじ)しながら、国民本位の経済運営へ転換、アジアとの連帯をはかることが不可欠であることを提起しました。 経済は、日々のくらしに直接、関係していることがらですが、「最近、経済問題はわかりにくい」という声が聞かれます。経済がマネー化し、金融、為替のうごきと切り離せなくなってきたことも、その原因のひとつだとおもいます。 本書では、できるだけ経済や金融問題になじみのない方にも読んでいただけるよう、専門的な知識にふみ込むより、ものごとのしくみと関係をのべることに重点をおきました。また、必要とおもわれる事がらには巻末に「解説コラム」をもうけました。 いまや日本は、経済危機とよぶべき段階にはいったと考えます。 本書をたくさんの方々に読んでいただき、不十分な点をご指摘いただくともに、日本経済を危機から救い、再建の道にふみだすたたかいに少しでも役立つことを願ってやみません。 |
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2003年6月 大門実紀史 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
U 本の目次 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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V 本の申し込み先 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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